2006年02月22日

通巻第18号

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『三島由紀夫の総合研究』 
    三島由紀夫研究会 メルマガ会報
       平成18年2月22日(水曜日) 通巻第18号
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 昭和46(1971)年に結成された「三島由紀夫研究会」の会報が、一般の読者にも開放する新編集方針のもと、メルマガとしてリニューアルされました。
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◎トピックス
 『青の時代』が大ブレーク!!
 三島由紀夫が光クラブの山崎某をモデルとして書いた傑作『青の時代』の文庫本が一月の「ほりえもん事件」の直後から異常な売れ行きを示している(新潮文庫)。同じくモデルにした高木彬光の『白昼の死角』も便乗で増刷中の由。
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<< 作品の現場 >>

 その四、鎌倉文学館

元前田家の鎌倉別荘は『春の雪』では松枝伯爵の瀟洒な別荘
                   宮崎正弘


 鎌倉文学館は文字通り「鎌倉文士」を中心に、この地に居住して創作活動をおこなった川端康成、小林秀雄、大佛次郎、里見敦、林房雄、中村光夫、中山義秀、高浜虚子、久保田万太郎、近年の作家では立原正秋、渋澤龍彦などの文学の業績を振り返り、記念的な書斎、蔵書などを展示している。

 平成十八年二月の或る日、筆者は中村彰彦と連れだって鎌倉へ行った。
林房雄が存命中は毎月二回は鎌倉へ行っていた身なのだが、没後二十年以上にもなるとなかなかお墓参りにも行けない。ちなみに林の墓は竹寺で有名な報国寺境内にある。

たまたま日曜日、しかも天気が良いので「しまった」と思ったのは後の祭り、タクシーが拾えないばかりか、小町通りを突き抜けた処にある名物の蕎麦屋まで人混みを掻き分けてすすむ仕儀となった。途中で会津蕎麦の新店が目に付いた。いや、会津贔屓の中村がすぐに見つけたのだが。。。

 この鎌倉行きの目的は渋澤龍子女史(渋澤龍彦未亡人)を久しぶりに訪ねることにあったが、ついでに鎌倉文学館を見学することになったのである。三島と渋澤龍彦との交遊については別の機会に書く。

 鎌倉文学館こそは三島由紀夫『春の雪』で舞台に選んだ、松枝清顕の父の別邸として描かれた洋館のモデルだからである。タイの皇子達とつれだって海水浴をしたときにほくろを本多重邦が発見する重要なシーンでもある。

 鎌倉文学館の現在の入り口は多くの作家の顔写真が立て看板のように並び林房雄の奥が若き日の三島由紀夫の写真。芝生の歩道を越えてトンネルをくぐると文学館の正門が現れる(鎌倉文学館は鎌倉市長谷1−5−3、月曜休館)。

 古式ゆかしい佇まい、大正から昭和初期へタイムスリップしたような錯覚にとらわれる。
 緑に溢れた静寂な洋館は加賀百万石の藩主前田利家の系譜に繋がる旧前田伯爵家の鎌倉別邸であった。
 敷地およそ一万坪、庭園内のバラ園がとくに有名で、春秋には155種、170株の薔薇が花開くという。そういえば三島由紀夫は薔薇が好きだった。

 前田家第十五代の前田利嗣が明治二十三年に土地を入手して和風建築の館を建てたが、明治四十三年に火事に見舞われて焼失した。(『豊饒の海』でも別荘が焼ける事件が起きているのも、これがヒントだったのかも知れない)。
 その後、当時の最先端建築の洋館として再建され、第十六代当主の前田利為が昭和十一年に全面改築している。これが現在まで残って、昭和五十八年いらい、鎌倉文学館となった。

 『春の雪』でモデルとされた、この鎌倉別邸は松枝清彰の父の伯爵が建てたという設定で、作中では次のように叙述されている。
 
 「青葉に包まれた迂路を登りつくしたところに、別荘の大きな石組の門があらわれる。王魔詰の詩の題名をとって号した『終南別業』という字が門柱に刻まれている。(中略)先代が建てた茅葺きの家は数年前に焼亡し、現伯爵はただちにそのあとへ和洋折衷の、十二の客室のある邸を建て、テラスから南へ開く庭全体を西洋風の庭園に改めた。南面するテラスからは、正面に大島がはるかに見え、噴火の火は夜空の遠い篝になった」(新潮文庫版231ページ)。
 
 現場にたつと、まさしくこの情景そっくりなのである。三島の情景描写の正確さ、その緻密さは定評のあるところだが、カメラにおさめたように正確な様は、あらゆる現場に立って確認できることである。

 庭には「楓、榊、茶の木、檜葉、沈丁花、満天星、木こく、松、柘植、槇などをぎっしり植え込み、刈り込んだ庭の斜面」、「わけても美しいのは夕映えだった」。
 この松枝伯爵の別邸を訪れた外国人は絶景を賛美した。

鎌倉文学館の栞には無愛想な表現で、こう書かれている。
「本館の概観はハーフティンバーを基調とする洋風と切り妻屋根と深い軒出などの和風が混在する独特なデザインです。内部も全体は洋風でアールデコの様式も見られますが随所に和風様式が取り入れられている」。

 昭和58年、即ち三島がモデルとして描いた後に、前田別邸は鎌倉市に寄贈された。
 入ってみて驚いたのは、これは古河庭園(春の雪にでてくる松枝邸のモデル)のミニチア版ではないか、という思いだった。
 おそらく敷地の多くを売却したのであろう、広大なはずの庭園は縮小されて池はなく、古河庭園にある滝も、農園もない。艶やかさのない、静寂の拡がる空間である(つづく)。
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◎事務局より◎
★先日、千葉県佐倉の会員が突如来訪され、遅ればせながら故三浦重周(前事務局長)への香典を持参された。事務局は以下の理由により、丁寧に拝辞しました。
(1)葬儀は近親者で済ませており、香典は「遺族」しか受け取れないこと。(2)友人たちの「お別れの会」はしたがって「会費」制として、すでに終了したこと。
(3)とはいえ遠方よりお見え頂き恐縮にたえず、記念冊子を差し上げ、三浦重周一周忌「早雪忌(仮称)」を命日(12月10日)に東京で開催予定であることを告げてお引き取り頂いた。
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 四月の「公開講座」は4月21日です。
 午後六時半より市ヶ谷「私学会館」(アルカディア市ヶ谷)の四階会議室
 講師         竹本忠雄氏(パリ在住、筑波大学名誉教授、評論家)
 演題         「ミシマとパリと」
 会場分担金      おひとり2000円(学生および会員は1000円)。
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 小誌の登録は下記で
 http://www.melma.com/backnumber_149567/
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(編集部から)小誌は三島由紀夫研究会の会員だけに限定せずに、三島研究の論文、エッセイをつねに募集しております。作品論、作品感想、読後感、政治論、芸術論。分野を問いません。ご投稿をお待ちします。原則として実名。簡単な肩書きをつけて下さい。ただし三島文学批判も構いませんが誹謗中傷のたぐいの投稿は採用しません。ゲスト寄稿者コーナーも常設しております。
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三島由紀夫研究会
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2006年02月17日

通巻第17号

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『三島由紀夫の総合研究』 
    三島由紀夫研究会 メルマガ会報
       平成18年2月17日(木曜日) 通巻第17号
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 昭和46年に結成された老舗「三島由紀夫研究会」の会報が、一般の読者にも開放する新編集方針のもと、メルマガとしてリニューアルされました。
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(会員の研究成果、発表のページ)
 
三島由紀夫 新角度からの年譜
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 この年譜作成の動機は、三島氏の作家としての「書く行為」と憂国の士としての「義挙」との対比、それをひと目で概観できるものが欲しかったことにあります。 
 たとえば『豊饒の海』では『春の雪』を連載していた昭和40年9月から42年1月は、自衛隊体験入隊をまだしていません。
少なくとも日常的には静かな時期です。
 しかしながら単行本として『春の雪』が刊行されたとき(44年1月)では、すでに楯の会を創設しています。もう「軍隊」経験のある知識人として、防衛大学校での講義を終えている緊迫した時期です。
また『奔馬』連載の終了時には、日学同セミナー参加があり、それに呼応するかのように「若きサムライのための精神講話」の連載を始めています。娯楽小説のジャンルでも「命売ります」の連載を始めています。
 雑誌執筆の軌跡は、三島氏の憂国行動と照応している部分が多分に見られるようです。
 つまり、長い長い雑誌連載と実生活の出来事を対比することで、作品を「書く行為」と憂国の「義挙」との照応関係が、時系列の形で把握しやすくなるのではないか。このように考えています。
                    井浦芳之


発表した文学作品(雑誌・単行本) 執筆、その他の行動/出来事など(※数字は日付)
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昭和36年
1月 憂國(小説中央公論)、『スタア』新潮社刊 30大宅壮一と対談「外から見た日本」(週刊公論)
2月 01嶋中事件。02「獣の戯れ」起筆。15映画「お嬢さん」封切
3月 15「宴のあと」訴訟
4月 美に逆らふもの(新潮)、「存在しないものの美学〜『新古今集珍解』(国文学・解釈と鑑賞) 、 23剣道初段
5月 汽車への郷愁(弘済) 16「獣の戯れ」擱筆。19千宗興と対談「捨身飼虎」(淡交)
6月 獣の戯れ1〜3回(週刊新潮)   、 15「黒蜥蜴」起筆
7月 獣の戯れ4〜8回、「魔〜現代的状況の象徴的構図」(新潮) 15「黒蜥蜴」擱筆
8月 獣の戯れ9〜12回 19「十日の菊」擱筆
9月 獣の戯れ13回、苺(オール読物)、『獣の戯れ』新潮社刊
15〜29米国講演(カリフォルニア大学)の旅
10月 川端康成氏と文化勲章(北日本新聞) 6 三島宅で鉢の木会
11月 『美の襲撃』講談社刊 14「美しい星」起筆、29「十日の菊」上演
12月 十日の菊(文學界)、黒蜥蜴(婦人画報) 1 TBSテレビ「鹿鳴館」放映

昭和37年
1月 愛の疾走1回(婦人倶楽部)、美しい星1回(新潮)、帽子の花(群像)、魔法瓶(文藝春秋)5〜10銀座松屋で細江英公撮影「薔薇刑」出展
2月 愛の疾走2回、美しい星2回 1日本テレビ「読売文学賞を受けて」に出演
3月 愛の疾走3回、美しい星3回、源氏供養(文藝)、『三島由紀夫戯曲全集』新潮社
   3「黒蜥蜴」上演、14大映映画「黒蜥蜴」封切
4月 愛の疾走4回、美しい星4回 1「鰯売恋曳網」上演
5月 愛の疾走5回、美しい星5回   2「綾の太鼓」上演
6月 愛の疾走6回、美しい星6回   晴海自動車運転教習所に通う 
7月 愛の疾走7回、美しい星7回  4 TBSテレビ「鏡子の家」放映、10 TBSテレビ「潮騒」放映
8月 愛の疾走8回、美しい星8回、月(世界)、 31「美しい星」擱筆 
9月 愛の疾走9回、美しい星9回       「午後の曳航」取材(横浜港)
10月 愛の疾走10回、美しい星10回、谷崎潤一郎論(朝日新聞)、『美しい星』新潮社刊
11月 愛の疾走11回  13「プロゼルピーナ」上演 
12月 愛の疾走12回、第一の性1回(女性明星)、文芸読本・川端康成編纂、「川端康成氏に聞く」〔鼎談〕  22自宅でクリスマス・パーティー

昭和38年
1月 第一の性2回、私の遍歴時代1〜4回(東京新聞)、肉體の學校1回(マドモアゼル)、葡萄パン( 世界)、真珠(文藝)、自動車(オール読物)、「愛の疾走」講談社刊  22「午後の曳航」起筆 
2月 第一の性3回、肉體の學校2回、私の遍歴時代5〜8回、林房雄論(新潮) 
   15「午後の曳航」再取材(横浜港)
3月 第一の性4回、肉體の學校3回、私の遍歴時代9〜12回、可哀そうなパパ(小説新潮)、細江英公『薔薇刑』集英社刊 
1及び18「午後の曳航」再々取材(横浜)
4月 第一の性5回、肉體の學校4回、私の遍歴時代13〜16回、筋肉と知性の錬磨(婦人公論)  17「三原色」上演
5月 第一の性6回、肉體の學校5回、私の遍歴時代17〜20回、11「午後の曳航」擱筆
6月 第一の性7回、肉體の學校6回  7「トスカ」上演
7月 第一の性8回、肉體の學校7回  17「美濃子」擱筆 
8月 第一の性9回、肉體の學校8回、藝術斷想1回(芸術生活)、雨の中の噴水(新潮)、切符(中央公論)    28「劍」擱筆、30「絹と明察」取材旅行 
9月 第一の性10回、肉體の學校9回、藝術斷想2回、天下泰平の思想(論争)、『午後の曳航』講談社刊  1「灯台」上演、20「葵の上」上演
10月 第一の性11回、肉體の學校10回、藝術斷想3回、劍(新潮)、 1「鹿鳴館」上演、12 NHK教育テレビ「川端康成論」出演、24「喜びの琴」擱筆、 31オペラ「班女」上演
11月 第一の性12回、肉體の學校11回、藝術斷想4回、わが創作方法(文學)、25文学座退団 
12月 第一の性13回、肉體の學校12回、藝術斷想5回、『劍』講談社、22自宅でクリスマス・パーティー

昭和39年
1月 第一の性14回、藝術斷想6回、音樂1回(婦人公論)、絹と明察1回(群像)、極限とリアリテイ(新潮)     10劇団NLT結成 
2月 第一の性15回、音樂2回、絹と明察2回、藝術斷想7回、喜びの琴(文藝)、『肉體の學校』集英社刊、『喜びの琴』新潮社刊、『三島由紀夫短篇全集』新潮社刊ジョン・ネイスン「午後の曳航」の英訳者に決定、ホテルオークラのレストランにネイスンを招く    
3月 第一の性16回、音樂3回、絹と明察3回、藝術斷想8回、
14映画「剣」封切  22剣道三段に昇段
4月 第一の性17回、音樂4回、絹と明察4回、藝術斷想9回、『私の遍歴時代』講談社
     29日活映画「潮騒」封切 
5月 第一の性18回、音樂5回、絹と明察5回、藝術斷想10回、文學における硬派(中央公論)  7「喜びの琴」上演、23映画「獣の戯れ」封切 
6月 第一の性19回、音樂6回、絹と明察6回、対談・硬派宣言(日本)  3「鹿
   鳴館」上演
7月 第一の性20回、音樂7回、絹と明察7回、天狗道(文學界)、限定版『三島由紀夫自選集』集英社刊  13大江健三郎と対談「現代作家はかく考える」(群像)
8月 第一の性21回、音樂8回、絹と明察8回  1「絹と明察」擱筆、17東京12チャンネル「美しい星」放映
9月 第一の性22回、音樂9回、絹と明察9回   28宴のあと訴訟、地裁で敗訴
10月 第一の性23回、音樂10回、絹と明察10回、戀の帆影(文學界)、『絹と明察』講談社刊  3「戀の帆影」上演、10東京オリンピック取材 
11月 第一の性24回、音樂11回      「現代文学の三方向」擱筆
12月 第一の性25回、音樂12回、『第一の性−男性研究講座』集英社刊、「ちびくろさんぼのぼうけん」を学習院幼稚園で上演

昭和40年
1月 三熊野詣(新潮)、月澹荘奇譚(文藝春秋)、現代文學の三方向(展望)、戦後の日本文學・座談会(群像) 16「憂国」シナリオ擱筆 。16「撮影台本 憂国」擱筆 
2月 反貞女大學1回(産経新聞)、孔雀(文學界)、『音樂』中央公論社 
   14映画「肉体の学校」封切、22「豐饒の海」の取材で京都・奈良旅行
3月 反貞女大學2回 10〜28イギリス、フランス旅行
4月 反貞女大學3回、聖セバスチャンの殉教1回(批評第1號−南北社)
30映画「憂国」完成
5月 反貞女大學4回 、19「班女」「弱法師」上演
6月 反貞女大學5回、朝の純愛(日本) 28「サド侯爵夫人」起稿、「熊野」上演
7月 反貞女大學6回、聖セバスチャンの殉教2回(批評第2號)、
   『三熊野詣』新潮社刊   14「聖セバスチャンの殉教」の翻訳、擱筆
8月 反貞女大學7回、『目 ある藝術斷想』集英社刊 31「サド侯爵夫人」擱筆 
9月 春の雪1回(豐饒の海 第1巻)(新潮)、反貞女大學8回 05〜10月末にかけて
   欧米・東南アジア旅行
10月 春の雪2回、反貞女大學9回 欧米・東南アジア旅行
11月 春の雪3回、太陽と鐡1回(批評第3號)、聖セバスチャンの殉教3回(批評第3號)、反貞女大學10回、サド侯爵夫人(文藝)、『サド侯爵夫人』河出書房新社刊 14「サド侯爵夫人」上演、18「春の雪」の取材で円照寺へ
12月 春の雪4回、反貞女大學11回 
22自宅でクリスマス・パーティー(翌年以降は開催されず)

昭和41年
1月 春の雪5回、仲間(文藝)、複雑な彼1回(女性セブン) 8「豐饒の海」取材(宮中の賢所)、31国会議員グループと剣道親善試合、橋本龍太郎と対戦
2月 春の雪6回、複雑な彼2回、をはりの美學1回(女性自身) 、安部公房と対談「二十世紀の文学」(文芸)
3月 春の雪7回、太陽と鐡2回(批評第4號)、複雑な彼3回、をはりの美學2回『反貞女大學』新潮社刊 、28 TBSテレビ「映画・憂国に見る日本的夫婦愛」に出演
4月 春の雪8回、複雑な彼4回、をはりの美學3回、お茶漬ナショナリズム(文藝春秋) 12映画「憂国」封切
5月 春の雪9回、複雑な彼5回、をはりの美學4回  剣道4段に昇段
6月 春の雪10回、複雑な彼6回、をはりの美學5回、英靈の聲(文藝)、『英靈の聲』河出書房新社刊 16 TBSテレビ「現代の主役・剣道四段・三島由紀夫」に出演、22映画「複雑な彼」封切
7月 春の雪11回、複雑な彼7回、をはりの美學6回
8日本テレビ「三島由紀夫シャンソンを歌う」に出演
8月 春の雪12回、太陽と鐡3回(批評第5號)、をはりの美學7回、『複雑な彼』集英社刊     21〜31奔馬の取材旅行(京都、広島、熊本)
9月 春の雪13回、夜會服1回(マドモアゼル)、レター教室1回(女性自身)、『聖セバスチャンの殉教』美術出版社刊 24 NHKテレビ「夢をあなたに」に出演
10月 春の雪14回、夜會服2回、レター教室2回、荒野より(群像)、「対話日本人論」番町書房刊 18「リュイ・プラス」上演
11月 春の雪15回、夜會服3回、レター教室3回 14日本学生同盟(日学同)結成。
   19「アラビアン・ナイト」上演、26「春の雪」擱筆、28宴のあと訴訟で和解成立
12月 春の雪16回、太陽と鐡4回(批評第6號)、夜會服4回、レター教室4回、14国立競技場トラックで早朝ランニング
昭和42年
1月 春の雪17回、夜會服5回、レター教室5回、時計(文藝春秋)、5「論争ジャーナル」創刊
2月 奔馬1回(豐饒の海 第2巻)(新潮)、夜會服6回、レター教室6回。7「日本学生新聞」(日学同)創刊、12居合道初段に昇段、18映画「愛の渇き」封切
3月 奔馬2回、夜會服7回、レター教室7回古今集と新古今集(広島大学国文学攷)、道義的革命の論理(文藝)、『荒野より』中央公論社刊 14詩「イカロス」執筆
4月 奔馬3回、太陽と鐡-増補再連載1回(批評第7號:番町書房)夜會服8回、レター教室8回、12〜19久留米陸上自衛隊幹部候補生学校体験入隊、19〜5/27陸上自衛隊富士学校幹部上級過程で訓練、 森田必勝ら早大国防部結成
5月 奔馬4回、夜會服9回、レター教室9回 27陸上自衛隊体験入隊終了
6月 奔馬5回、夜會服10回 3「鹿鳴館」上演、27「朱雀家の滅亡」起稿
7月 奔馬6回、太陽と鐡2回(批評第8號)、夜會服11回。2〜9早大国防部13名北恵庭戦車部隊に体験入隊、31「朱雀家の滅亡」擱筆、空手の練習開始
8月 奔馬7回、夜會服12回  28〜31京都仙洞御所参観
9月 奔馬8回、『葉隱入門』光文社、『夜會服』集英社刊 26〜インドへ取材旅行
10月 奔馬9回、太陽と鐡3回(批評第9號)、朱雀家の滅亡(文藝)、いかにして永世を?(文藝)、『朱雀家の滅亡』河出書房新社刊 、 13「朱雀家の滅亡」上演、23インドから帰朝。
11月 奔馬10回  この頃「論争ジャーナル」グループと「国土防衛隊」試案作成
12月 奔馬11回、『三島由紀夫長編全集1』新潮社刊 5百里基地からF104戦闘機に
   試乗、17テレビ討論会「日本人よ冒険心を持て」(フジテレビ)に出演

昭和43年
1月 奔馬12回 、太陽と鐡4回(批評第10號) 1テレビ座談会「天下泰平」NHKに出演、パンフレット「祖国防衛隊はなぜ必要か」発表
2月 奔馬13回、F104(文藝)、『長編全集2』新潮社刊
   22「論争ジャーナル」グループらと血盟状作成
3月 奔馬14回、太陽と鐡5回(批評第11號)
   1〜30学生20名と富士学校滝ケ原分屯地へ体験入隊
4月 奔馬15回、対談・私の文學を語る(三田文學)、『對談・人間と文學』講談社刊、3「黒蜥蜴」上演、17浪曼劇場結成
5月 奔馬16回、小説とは何か1回(波)、命賣ります1回(プレイボーイ)、3〜5 日本学生同盟セミナーに講師として参加、5「文化防衛論」擱筆
6月 奔馬17回、太陽と鐡6回(批評第12號「デカダンス特集號」責任編集)、デカダンス美術(批評第12號)、対談・ デカダンス意識と生死観(批評第12號)。命賣ります2回、若きサムラヒのための精神講話1回 (PocketパンチOh! )、15全日本学生国防会議結成大会(議長は森田必勝)出席、24「奔馬」擱筆
7月 奔馬18回、命賣ります3回、若きサムラヒのための精神講話2回、文化防衞論(中央公論) 5バレエ「憂国」上演、10「聖女」上演。25〜8/23まで学生33人と富士学校滝ケ原分屯地へ体験入隊
8月 奔馬19回、命賣ります4回、若きサムラヒのための精神講話3回。11剣道5段に昇段、14松竹映画「黒蜥蜴」封切
9月 曉の寺1回(豐饒の海 第3巻)(新潮)、命賣ります5回、若きサムラヒのための精神講話4回    8テレビ「橋づくし」TBSで放送
10月 曉の寺2回、小説とは何か2回、命賣ります6回、若きサムラヒのための精神   講話5回、『太陽と鐡』講談社刊 05楯の会結成、13「わが友ヒットラー」擱筆、
   21都内各所で国際反戦デーのデモを視察
11月 曉の寺3回、若きサムラヒのための精神講話6回、軍服を着る男の條件(平凡 パンチ)、自由と権 力の状況(自由)、限定版『岬にての物語』牧羊社刊 。 20防衛大学校で講演「素人防衛論」
12月 曉の寺4回、若きサムラヒのための精神講話7回、わが友ヒットラー(文學界) 原型と現代小説・座談会(批評)、『命賣ります』集英社刊、『わが友ヒットラー』、新潮社刊  日本学生同盟結成2周年記念中央集会(実行委員長は森田必勝)で講演

昭和44年
1月 曉の寺5回、小説とは何か3回、若きサムラヒのための精神講話8回、『春の雪』新潮社刊  18「わが友ヒットラー」上演
2月 曉の寺6回、反革命宣言(論争ジャーナル)、若きサムラヒのための精神講話9回
  『奔馬』新潮社刊  。 1森田必勝が日本学生同盟を脱会
3月 曉の寺7回、小説とは何か4回、若きサムラヒのための精神講話10回。
   1〜29富士学校滝ケ原分屯地体験入隊
4月 曉の寺8回、若きサムラヒのための精神講話11回、『文化防衞論』新潮社刊。
   6「癩王のテラス」擱筆、28社共主催の沖縄デー中央集会デモを視察
5月 曉の寺9回、小説とは何か5回、若きサムラヒのための精神講話12回、男らしさの美學(男子専科)、『黒蜥蜴』牧羊社刊、『不道徳教育講座』中央公論社刊 。 9「わが友ヒットラー」上演、12東大全共闘との討論集会。
6月 曉の寺10回、『癩王のテラス』中央公論社刊、『討論 三島由紀夫vs東大全共闘』
   新潮社刊 19「サド侯爵夫人」上演、30大映京都撮影所で切腹シーンを撮影(映画「人斬り」)
7月 曉の寺11回、小説とは何か6回・、癩王のテラス(海)、北一輝論(三田文學)、『若きサムライのために』日本教文社刊 4「癩王のテラス」上演、
   26〜8/23まで富士学校滝ケ原分屯地体験入隊
8月 曉の寺12回、古事記と萬葉集−「日本文學小史」の内(群像)。 9映画「人斬り」封切、30「蘭陵王」擱筆
9月 曉の寺13回、小説とは何か7回、行動學入門1回(PocketパンチOh! )、 
   1「椿説弓張月」擱筆、4「春の雪」上演
10月 曉の寺14回、行動學入門2回  1「黒蜥蜴」上演、8「皇女フェドラ」初
   演、12森田必勝が楯の会学生長になる、15大蔵省百周年式典で講演「日本とは何
   か」、25蓮田善明25周忌に出席
11月 曉の寺15回、行動學入門3回、小説とは何か8回、蘭陵王(群像)、椿説弓張月(海)、限定版『椿説弓張月』中央公論社刊 。03楯の会結成一周年記念パレード。5 〜25「椿説弓張月」上演
12月 曉の寺16回、行動學入門4回 8〜11軍事事情視察のため韓国を旅行

昭和45年
1月 曉の寺17回、行動學入門5回、小説とは何か9回、限定版『黒蜥蜴』牧羊社刊   『椿説弓張月』中央公論社刊 14・21テレビ「生活の知恵」(NHK)に出演
2月 曉の寺18回、行動學入門6回 27テレビ「春の雪」放送
3月 曉の寺19回、行動學入門7回、小説とは何か10回、『三島由紀夫文学論集』、講談社刊 01〜28学生30人と富士学校滝ケ原分屯地体験入隊。
   楯の会学生長森田との間で決起計画
4月 曉の寺20回、行動學入門8回。日本文化会議の理事をやめる、「批評」の同人をやめる、楯の会学生小賀、小川決起計画に加わる。29楯の会の歌「起て!紅の若き獅子たち」(クラウンレコード) 発売
5月 行動學入門9回、小説とは何か11回 28皇宮警察で記念講演「私の聞いて欲し   いこと」
6月 行動學入門10回、士道について〜石原慎太郎氏への公開状(毎日新聞)、懷風藻と古今和歌集−「日本文學小史」の内(群像)、限定版「鍵のかかる部屋」。プレス・ビブリオマース刊 。2〜4富士学校滝ケ原分屯地体験入隊、17空手初段に昇段、「英靈の聲」朗読・録音。30公正証書による遺言状作成
7月 天人五衰1回(豐饒の海 第4巻)(新潮)、小説とは何か12回、行動學入門11回、『曉の寺』新潮社刊、果たし得てゐない約束−私の中の25年。(サンケイ新聞) 1防衛研修所で講義「国防政策への提言」、16陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地にて楯の会体育訓練、22天人五衰・取材(円照寺)
8月 天人五衰2回、行動學入門12回、01「天人五衰」最終章を擱筆(伊豆下田東急ホテル)
9月 天人五衰3回、小説とは何か13回、革命哲學としての陽明學(諸君)、『尚武のこころ』日本教文社刊。楯の会最終パレード。10〜12学生50人と富士学校滝ケ原分屯地体験入隊
10月 天人五衰4回、『行動學入門』文藝春秋社刊、『作家論』中央公論社刊 19楯の会同志らと最後の記念撮影。22「薔薇と海賊」上演
11月 天人五衰5回、小説とは何か14回、「文學は空虚か」対談(文藝)、「檄」、「辞世二首」。 04〜06学生45人と富士学校滝ケ原分屯地体験入隊。12〜17「三島由紀夫展」開催(池袋東武百貨店)。25午後零時15分、自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室にて自決
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 三浦重周遺稿集、予約特価受け付け中!

  三浦重周(前三島研究会事務局長)遺稿集
   『白骨を秋霜に曝すを恐れず』(K&Kプレス刊)
 
 予価2100円(2000+税)  上製300p 口絵8p
  四月上旬 刊行予定! 全国の主要書店でも取り次ぎ入手できます!
  壮絶な自決を遂げた三浦重周氏の思想遍歴とエッセイなどを編纂したものです

第一部 基本論文
 思想論 どこに思想の源基をおくのか
 国家論 マルクス主義国家論批判
 国体論 大嘗祭を平成維新の転換点に
 改憲論 憲法改正の問題点
 文明論 新文明の興隆へ「新アジア主義」
        
第二部 資料
 重遠社創建宣言 綱領 誓盟など

第三部 エッセイ(「行雲流水」抄)
 三浦氏代々、新潟の自然と山河、神田川、学校時代ほか
 年譜(井上正儀)、解説(後藤晋一)          
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☆申し込みは簡単です
 御住所、御名前、〒番号、電話番号(宅配メール便のため)をお知らせ下さい。
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(編集部から)小誌は三島由紀夫研究会の会員だけに限定せずに、三島研究の論文、エッセイをつねに募集しております。作品論、作品感想、読後感、政治論、芸術論。分野を問いません。ご投稿をお待ちします。原則として実名。簡単な肩書きをつけて下さい。ただし三島文学批判も構いませんが誹謗中傷のたぐいの投稿は採用しません。ゲスト寄稿者コーナーも常設しております。
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三島由紀夫研究会
   HP   http://www.nippon-nn.net/mishima/contents/
  メール  yukokuki@hotmail.com
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(C)三島由紀夫研究会 2006 ◎転送自由
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2006年02月15日

通巻第16号

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> 『三島由紀夫の総合研究』 
>     三島由紀夫研究会 メルマガ会報
>        平成18年2月15日(水曜日) 通巻第16号
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>  昭和46年に結成された老舗「三島由紀夫研究会」の会報が、一般の読者にも開放する新編集方針のもと、メルマガとしてリニューアルされました。
> ☆☆ ☆
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> ◎トピックス
> 佐藤守(前空将)のブログに三島の『文化防衛論』を引用して何を何から守るかの議論
> http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/
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>  三島由紀夫紀行(その三)
>
>   リオ・デ・ジャネイロ
>
>   ー謝肉祭の熱狂に胡蝶の夢と千夜一夜の幻想を重ねる不思議  
> 宮崎正弘
>
>
>  
> 或るとき、在ブラジル大使館から問い合わせがあり、その昔、三島がリオ・デ・ジャネイロに滞在したおりに地元の報字新聞で移民日系人らと対談をしているらしいが、その詳細を全集か何かで調べられるか、という。
>  なにかの記録で読んだことがある。
>  そのことが切っ掛けとなって、何故三島由紀夫はブラジルに行ったのか、調べてみた。
>
>  随分と三島がブラジルのことを自慢したのは1960年頃までだった。
>  石原慎太郎がスクータで南米を周り、美女たちとも楽しんできた旅行記をものにしてからというもの三島が南米について語る機会はうんと滅った。
>
>  ギリシアに関してもある日、ぷっつんと糸が切れたタコのように文壇や友人達の座談との場でも、三島はギリシアを語らなくなった。
>
>  三島はリオ到着の模様を次にように描いた。
>  
>  リオの「夥しい灯火が眼下に展開した。黒大理石の卓に置かれた首飾りのように、シュガア・ローフ峰をめぐる海岸線の燈火が見える。(中略)この形容の凡庸さを知っているが、ある種の瞬間の脆い純粋な美の印象は、凡庸な形容にしか実をまかさないものである」
>
>  日曜日に誰もいない、静かなリオのまちを三島が歩き、突然「この現実の瞬間の印象が帰国ののちには夢の中の印象と等質」となり、それは『荘子の胡蝶のたとえや、謡曲邯鄲の主題をあれこれと思い浮かべた。(中略)我々はさまざまなものになる。輪廻は刻刻のうちに行われる。』
>  何故、リオを散歩したときも三島の脳裏を「輪廻」が占めるのか。
>
>  ―リオは不思議なほど完全な都会である。
>  ―リオの市内電車は郷愁的な形をしている。
>  ―リオの、この最初の夜景は私を感動さえせた。
>  ―リオはいかにも幻想的な都会である。
>  ―リオの美しいものの一つは、ポルトガルの遺習といわれるモザイクの歩道である。
>
>  三島がブラジルを気に入ったのは燦々たる陽光というよりも、謝肉祭のどんちゃん騒ぎよりも、こういう胡蝶の夢の世界に浸れる無比の雰囲気であるのかも知れない。
>
>  それにしてもよく歩くのである。夜の街で石塀にすみで書かれた画をみたり、「二階の露台、まど、前庭の石のベンチ、低い鉄門、低い石塀、、それらが因習的な恋の舞台である」。
>  というのも「娘はすでに閉ざされた低い鉄柵の門によって、夜の更けるまで語らいをつづけたいたりする」からだ。
>
>  この記述は、童話作家のように夢想的、想像力が街を走っているような文章である。
>  三島はコパカバナ・パレス・ホテルに投宿した。前が海で、対比的に高層建築が道を隔てており「うしろには、南画風の突コツたる丘がそびえている」
>  これらは幻想的奇観とも言えるもので、
> 「千夜一夜の黒島の王の物語」、
> 「魔法の解けた原野に忽然と大都会が蘇るのを」三島はこよなく愛した。
>
>  それから三島はサンパウロへ行ったり、リンス郊外のコーヒー園を見学したりーーしかも牧童にあって、また物語を夢想したり、雲の動きを追ったり、そうしてコーヒー園のことは何ほどの記述もない奇妙な旅行記を綴り続ける。
>  そうだ、三島はただひたすらリオ名物のカーニバルを待ち続けていたのだ。
>
>  御輿を担いだりのお祭り騒ぎが好きな三島らしく四日間のうちの三晩を踊り明かしたというのだから驚き以外のなにものであろうか。
>
>  「リオの謝肉祭は傾聴すべき多くの教訓を含んでいる。人身を団結せしめ、それらをかくも共有の情熱の中へ投げ込む力をして、伝習、あるいは単に習慣というものが決して無意味なものでないこと。近代生活は目的意識に蝕まれ、われわれが政治の奴隷をなるのはこの愚かであること。無目的な生は、短い数日の間でこそあれ、かくも完全な生の秩序と充実とを、現出させるものであること。それが謝肉祭の教訓である」。(引用はいずれも『アポロの杯』より)。
>
>  晩年にあれほど語った天皇、二・二六、文化防衛、輪廻転生、仏教、ベナレス。リオの灼熱と熱狂とは対極のものである。
>  リオのカーニバルは晩年の三島の意識にも残っていなかった。
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